KPMGコンサルティング株式会社
内野 桃 さん
Finance Strategy and Transformation マネジャー
高校時代に1年間オーストラリアに留学。大学卒業後は、事業会社の経理部門、家電小売企業のカンボジア現地法人の立ち上げを経験。ミャンマーで広告代理店営業に従事し、KPMGコンサルティングに転職。2019年、産休中にマネジャーに昇格。
偶然出合った会計×英語がキャリアの軸に。
すべてが結びついてコンサルタントの道へ
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームであるKPMGジャパンが擁する9つのプロフェッショナルファームの一員。ビジネストランスフォーメーション、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野で企業をサポートするコンサルティングファームだ。異業種からコンサルタントに転職し、マネジャーと子育てを両立させている内野さんに、これまで出合った人生のターニングポイントやチャンスのつかみ方、現在のグローバルな活躍などについて伺った。
― 高校1年生のときにオーストラリアに留学されたんですね。そもそも海外に目を向けられたきっかけは?
内野 親戚がアメリカに住んでいて、小学生のころから夏休みをアメリカで過ごしたりしていました。スーパーで売っているお菓子の味から、プールやバスケットコートがある家、グランドキャニオンの雄大さまで、すべてが衝撃的でした。日本ではできない経験をしたいという憧れから、早い時期に留学したいと思うようになりました。
実家がホストファミリーとしてオーストラリアからの留学生を受け入れたのをきっかけに、文部科学省が支援する団体の異文化交流を目的とするプログラムでオーストラリアに留学。敷地内も車移動するようなメルボルン郊外のお宅に滞在しました。ホストシスターと同じ高校で、外国人は私1人。授業で読むシェークスピアの単語が一切分からないという経験も含め、全てが初めてで楽しかったですね。その後も英語に関わっていきたいと考え、大学では英文学科に。当時トレンドだったM&Aに興味を持ち、M&Aで事業を拡大していた日本の事業会社に新卒入社しました。外資系企業からも内定を頂いたのですが、自分の英語がビジネスで通用する自信がなく、日本企業を選びました。
― 何度か転職をされていますが、どんな経緯だったのですか?
内野 1社目の配属は社長秘書だったのですが、組織変更があり経理部に異動。それまで興味のなかった会計という仕事に出合いました。本当に偶然でしたが、与えられた仕事に本気で取り組み、その後の転職では会計という専門性をキャリアの軸に据えることができました。
税理士法人を経て、大手の家電小売企業に経理として入社。偶然にも初の海外法人の立ち上げに参加する機会を得て、カンボジアでバックオフィス業務全般に携わることになりました。幸運にも、ここで会計という専門性と英語、両方を生かせるキャリアを実現できました。現地法人が軌道に乗り、帰任することになったのですが、もっと海外で働きたいと思い、日本の広告代理店のミャンマー拠点に現地採用で入社。今度は営業職を経験しました。営業職もやりがいがありましたが、せっかく培った会計の専門性を生かせないことに葛藤を覚えていたとき、人材エージェントを通じてKPMGコンサルティングを知り、転職しました。
これまでの経緯から分かるように、私はいろいろなことに興味を持つことができ、その都度、適応して本気で楽しめる性格です。プロジェクト単位で動くコンサルタントという仕事は、変化を楽しめる私に合っています。しかもKPMGコンサルティングなら会計の経験も英語も生かせます。天職だと感じました。
産休中にマネジャーに昇格。
管理職の立場でもパフォーマンスを発揮
― KPMGコンサルティングでのお仕事について教えてください。
内野 「Finance Strategy and Transformation」という会計の専門性を生かせる部門に所属しています。主な仕事は国内外の企業のCFOや財務経理部門のサポートです。具体的には、経営管理の高度化、予算制度改革、経理業務の生産性向上支援などを行なっています。
最初に携わったのは外資系クライアントのプロジェクト。海外の本社が决めた業務プロセス改善の日本拠点への展開をサポートしました。フランス、オランダ、オーストラリア、中国出身の多様性に富んだメンバーと仕事ができて楽しかったですね。コンサルタントという仕事の面白さの1つは、いろいろな会社、幅広い案件に、多様なメンバーと携われること。毎回が刺激的で、決して飽きることがありません!
― 産休中にマネジャーに昇格されました。
内野 前々職・前職と管理職だったため、KPMGコンサルティング入社の時点で、早くマネジャーになりたいと伝えていました。入社2年目に上司と相談し、マネジャーに昇格するためのアクションプランを組み、あと半年で昇格というタイミングで妊娠。昇格を見込んでいたタイミングは産休中なので、本当に昇格できるのか不安でした。しかし、産休入り直前に昇格のアナウンスがあり、ライフステージの変化がキャリアに影響しない良い会社だと実感しました。
マネジャーになるとプロジェクトに対する責任を負う分、大きな裁量を発揮できます。コンサルタントの仕事には正解がなく、複数ある選択肢の中から方針を決め、プロジェクトを前に進めるのがマネジャーです。メンバー時代は自分の意見が反映されないこともありましたが、今は主体的に決めることができます。また、マネジャーはお客様と直接お話しする機会が多く、評価の言葉をダイレクトに頂くことができ、自分が価値を発揮できたことを実感できます。
オファーには、まず「Yes」。
出合ったチャンスを、全力でモノにする
― コンサルタントとしての業務以外で取り組んでいる活動はありますか?
内野 KPMGがグローバルで行なっている取り組み「Next Generation Council」のメンバーに選出され、グローバルなチームの一員として活動中です。これは経営陣の戦略や方針に対して次世代が提言を行なうという取り組みで、全世界から30名ほどが1年の任期で参加しています。国内ではあまり存在を知られていない組織なのですが、部門長に推薦していただきました。経営陣と縦のつながりができるのに加え、グローバルな横のネットワークができるのも魅力です。今年のゴールデンウィークに、シンガポールへ家族旅行に出掛けた際も、KPMGシンガポールのメンバーからスポーツクラブのキックオフに誘われ、楽しんできました。また、人事領域から参加しているUKのメンバーから声を掛けられ、コーチングを受けることになっています。さらに活動の一環として、ニュージーランドのアーダーン前首相やKPMGインターナショナルのグローバルチェアマンであるビル・トーマスへのインタビューを行なう機会も頂けました!
― 仕事をする上で大切にしている信念はありますか?
内野 チャンスを頂いたときには、即答でイエスと言うよう心掛けています。先述のビル・トーマスグローバルチェアマンへのインタビューの際も、全世界に発信できるようなファシリテーションができるか不安はありましたが、まずは引き受けました。「できない」ではなく、「できる」をベースに引き受けます。そして引き受けたからにはパフォーマンスを上げるため全力で努力します。
かつて異動で携わることになった会計も、ミャンマーで経験した営業も、偶然巡り合ったチャンスでしたが、妥協せず突き詰めることでモノにすることができました。転機を受け入れて、全力で取り組んで結果を出すことで可能性が広がり、新しいチャンスにつながっていきます。
その都度、出合いに流され、今を生きてきたような人生に見えますが(笑)、振り返れば、英語のスキルと会計と営業、すべてがコンサルタントのキャリアに結実しています。
振り返ってみると、概ね3年ほどの周期で転機が訪れているようです。この先も自分の可能性に限界を設けることなく、転機を受け止め、全力で生きていこうと思います。
― 最後に、読者にメッセージをお願いします。
内野 コンサルタントはハードワークで、あまり長く続ける仕事ではないというイメージを持っていましたが、実際にKPMGコンサルティングで働いてみると、とても人に優しい会社だとわかりました。妊娠・出産でキャリアが途切れることも一切ありませんでした。
「プロジェクトには必ず終わりがある」というのも特徴です。仮に相性がよくないと感じても、永遠に続くわけではないので、良い意味で逃げ道があると言えます。
変化がストレスでない方にとっては、とても働きやすい職場でしょう。自分のキャリアとして想像もしていなかったコンサルタントという世界ですが、偶然の転機を受け入れることで天職と思える仕事、人に優しい職場に出合えました。KPMGコンサルティングなら大丈夫ですよと、ぜひお伝えしたいですね。
KPMGコンサルティング株式会社
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3分野で、グローバル規模での事業モデルの変革や経営管理全般の改善をサポートするコンサルティングファームです。具体的には、事業戦略策定、業務効率の改善、収益管理能力の向上、ガバナンス強化やリスク管理、IT戦略策定やIT導入支援、組織・人事マネジメント、変革等 変革等を提供しています。10年後も社会的に価値の高いエクセレントカンパニーを目指す企業を支援しています。
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